1月20-24日に東京大学Kavli IPMUでLiteBIRD face-to-face (F2F) meetingが開催され、石野/髙瀬/長野/生熊が参加しました。前年7月にVancouverで開かれたF2F meeting以来半年ぶりの開催で、コラボレーターとの議論にも熱が入りました。
会期中に開かれたバンケットでは日本太鼓の楽団によるパフォーマンスがあり、大いに盛り上がりました。

1月20-24日に東京大学Kavli IPMUでLiteBIRD face-to-face (F2F) meetingが開催され、石野/髙瀬/長野/生熊が参加しました。前年7月にVancouverで開かれたF2F meeting以来半年ぶりの開催で、コラボレーターとの議論にも熱が入りました。
会期中に開かれたバンケットでは日本太鼓の楽団によるパフォーマンスがあり、大いに盛り上がりました。
先日(1/7)の髙瀬さんらによるプレスリリース「誕生直後の宇宙の姿、衛星観測でどう捉えるか」が2025年1月14日の日刊工業新聞全国面(25科学技術・大学)にて掲載されました。
記事リンク:岡山大など、誕生時の宇宙の姿観測 測定誤差を最小化する新手法
日刊工業新聞はバックナンバーを含めて岡山大学附属図書館で閲覧が可能です。
岡山大学生はもちろん一般の方も入館が可能です。
詳しくは附属図書館HPをご覧ください。
当研究室博士後期課程3年の髙瀬さんの学術論文がイタリアの宇宙論・素粒子物理学雑誌「Journal of Cosmology and Astroparticle Physics (JCAP)」から出版されました。
この論文は宇宙マイクロ波背景放射(CMB)の偏光観測からインフレーションモデルの検証を行う将来の衛星観測に対して最適な観測手法を提案し、将来の次世代型CMB偏光観測衛星の設計に対する重要な指針を示しています。本研究は岡山大学のプレスリリースとResearch Highlightsでも紹介されています。
我々石野研は宇宙航空研究開発機構 (JAXA)が主導するCMB偏光観測衛星LiteBIRDの系統誤差解析・スキャン戦略設計などを担当しています。
LiteBIRDは宇宙全天のCMBの偏光を高精度に観測することで宇宙誕生時に起こったとされるインフレーションの検証を目指す科学計画です。(詳しくは研究内容をご覧ください)
宇宙全天をくまなく観測するために衛星は地球から150万km離れた第2ラグランジュ点という位置で衛星自体を回転させながら宇宙をスキャンするように観測します (図1)。
CMBの偏光を高精度に観測するには観測装置に起源を持つ系統誤差をいかに抑制できるかが鍵となります。本研究では衛星の回転軸の角度や回転速度を最適化することで、系統誤差が最小となるスキャン戦略パラメータを発見しました。
詳しくは以下のプレスリリース/Reserch Highlights記事をご覧ください。
岡山大学プレスリリース
誕生直後の宇宙の姿、衛星観測でどう捉えるか (日本語)
Research Highlights
How to capture the universe after its birth through space observation (English)
論文情報
タイトル: Multi-dimensional optimisation of the scanning strategy for the LiteBIRD space mission
著者:Y. Takase, L. Vacher, H. Ishino, G. Patanchon, L. Montier et al., LiteBIRD collaboration
DOI: 10.1088/1475-7516/2024/12/036
リンク: https://iopscience.iop.org/article/10.1088/1475-7516/2024/12/036
11月25日から27日にかけて名古屋大の市來淨與教授が岡山大学に訪問され、集中講義と談話会が開催されました。集中講義では宇宙論や宇宙マイクロ波背景放射についての講義、談話会では「宇宙の密度ゆらぎを2度測る」というタイトルで、宇宙の一様等方性を仮定しなくても暗黒エネルギーのCMB 観測によるテストを行うことができるという興味深い内容でした。
長野(D3)がIPMUを訪問し、Guillaume Patanchon (ILANCE)さんとの共同研究を行いました。
衛星のアンテナパターンの非対称性により生じる系統的な効果が、回転半波長板(HWP)の有無によりどのように変化するかの研究に取り組みました。
まだまだ課題が残っており、今後もこのトピックに継続的に取り組んでいきます。
髙瀬(D3)が東京大学Kavli IPMUを訪問し、松村准教授(東大)をはじめとしたIPMUのCMB研究者たちとLiteBIRDの系統誤差に関する研究を行いました。IPMUに滞在中だったGuillaume Patanchon (ILANCE)さん、Patricia Diego (MPA)さんにも議論に参加してもらい系統誤差理論の研究が大きく進展しました。
髙瀬はCMB偏光観測に混ざってしまう系統誤差を高速に推定・抑制する理論の研究に取り組んでいます [Y. Takase et al., 2024, arXiv]。IPMUはLiteBIRDの低周波望遠鏡に搭載する偏光変調器(PMU)の開発に責任を持っており、PMUの不定性に起源を持つ系統的効果を統一的に取り扱う解析手法について松村研の学生らと議論しました。
Kavli IPMU CMBグループのHPでも紹介されています。
令和6年の9月に本研究室の森永真美さんが修士課程を修了しました。
今後の活躍をお祈りいたします。
Simon MadrzykさんとCorrentin Bourdierさん(Grenoble INP Phelma, フランス)の5月から約4ヶ月にわたるインターンシップが終わりを迎えました。また、修士2年の森永さんは先日行われた修士論文発表会を経て修了が決定しました!
森永さんはLiteBIRDの「CMB 全天偏光観測における検出器のゲインの系統誤差の解析的計算」という修士論文を執筆しました。系統誤差を高度な数学を用いて解析的に扱うことで、一般に行われる時系列データ解析よりも高速に系統誤差を推定する手法について研究を行いました。
今後は一般企業への就職が決まっており、さらなる活躍を期待します。
Simonさんは当研究室の生熊さん(修士2年)と「CMB偏光観測のための前景放射除去の開発」、Correntinさんは長野さん(博士3年)と「高精度偏光光源の開発」というテーマでインターンシップの研究を進めました。
最後の研究発表では4ヶ月間の成果をまとめたプレゼンテーションをしてもらい、研究室メンバーで議論を深めました。8月末にはお別れ会を行い居酒屋の日本食を楽しんでもらいました。これからの2人の活躍を応援しています!
物理学科長の野上教授からの依頼で当研究室の森永さん(修士2年)が岡山大学への編入生としての記事を書きました。以下森永さんからのコメントです。
以前は別の私立大学にいましたが、岡山大学に編入してたくさんの貴重な経験ができました。
特に私がずっとしたかった宇宙の研究をこの石野研ですることができています。
岡山大学に来て物理を学びたい方(特に宇宙の研究をしたい方)はぜひ記事を読んでいただけると嬉しいです。
今回、私の編入経験を記事として取り上げてくださったことを物理学科長 野上教授に感謝申し上げます。
記事へのリンクはこちら: 先輩からの一言 (2020年度編入 森永真未 氏)