Shaul Hanany教授が来岡!

ミネソタ大学からShaul Hanany教授が2月18-19日に当研究室を訪問されました。
東京大学Kavli IPMUから松村知岳教授とGuillaume Patanchon客員研究員(パリ大学准教授)、JAXAからLiteBIRDのプロジェクトマネージャである吉原圭介さんも同時に訪問され、小松英一郎先生も加えてCMB研究の第一線で活躍する研究者たちと大変白熱した議論ができました。

Hanany教授はNASAに提案されている次世代CMB偏光観測衛星PICOの責任者(PI)でLiteBIRD計画の観点から情報交換や科学的なシナジーを議論しました。

当研究室からは髙瀬さんがLiteBIRDとPICOのスキャン戦略の違いや、それぞれのメリット・デメリットを説明し、大変有意義な意見交換ができました。

交流会では岡山の名産のサワラや黄ニラを召し上がってもらい、非常に好評でした!

髙瀬の発表
右奥からGuillaumeさん, 小松さん、Shaulさんと奥様、松村さん、吉原さん

小松英一郎先生が来岡!

RECTORプログラム「宇宙物理データ解析国際研究拠点形成プロジェクト」によりマックス・プランク宇宙物理学研究所所長の小松英一郎先生が当研究室に約3週間滞在されます。

小松先生はCMB研究の第一線で活躍されている研究者で、昨年度も同プロジェクトにより当研究室と共同研究をしていただきました。

これから3週間綿密な議論を行い、LiteBIRDを含むCMB研究を加速できたらと思います!

R6年度博士・修士論文審査会が終了!

2月12-13日に博士・修士論文審査会があり、当研究室からは髙瀬(D3)、生熊(M2)、大前(M2)が発表を行いました。全員博士・修士の期間の研究で得た力を出しきれたと思います。

髙瀬さんの発表の様子
生熊さんの発表の様子
大前さんの発表の様子

CMB B-mode – NEXT international workshop

1月27-29日に高エネルギー加速器研究機構(KEK)にて開かれた国際ワークショップ CMB B-mode – NEXTに髙瀬/長野/生熊が参加し、それぞれ招待公演を行いました。

先週のLiteBIRD face-to-face meetingに引き続き、多くのLiteBIRDコラボレーターに加え、CMBの地上観測実験Simons Observatory (SO)などのコラボレーターも集まり、コラボレーションの垣根を超えた活発な情報交換を行いました。

以下は当研究室から参加した学生の発表タイトルです。

生熊清
Foreground Cleaning – Delta Maps
長野佑哉
HWP and systematics effects with asymmetric beams
髙瀬祐介
Systematic effects mitigation by spin moment decomposition

LiteBIRD face-to-face meeting in Kavli IPMU

1月20-24日に東京大学Kavli IPMUでLiteBIRD face-to-face (F2F) meetingが開催され、石野/髙瀬/長野/生熊が参加しました。前年7月にVancouverで開かれたF2F meeting以来半年ぶりの開催で、コラボレーターとの議論にも熱が入りました。

会期中に開かれたバンケットでは日本太鼓の楽団によるパフォーマンスがあり、大いに盛り上がりました。

【日刊工新聞掲載1/14】岡山大など、誕生時の宇宙の姿観測 測定誤差を最小化する新手法

先日(1/7)の髙瀬さんらによるプレスリリース「誕生直後の宇宙の姿、衛星観測でどう捉えるか」が2025年1月14日の日刊工業新聞全国面(25科学技術・大学)にて掲載されました。

記事リンク:岡山大など、誕生時の宇宙の姿観測 測定誤差を最小化する新手法

日刊工業新聞はバックナンバーを含めて岡山大学附属図書館で閲覧が可能です。
岡山大学生はもちろん一般の方も入館が可能です。
詳しくは附属図書館HPをご覧ください。

髙瀬さんの学術論文がJCAPから出版されました!

当研究室博士後期課程3年の髙瀬さんの学術論文がイタリアの宇宙論・素粒子物理学雑誌「Journal of Cosmology and Astroparticle Physics (JCAP)」から出版されました。

この論文は宇宙マイクロ波背景放射(CMB)の偏光観測からインフレーションモデルの検証を行う将来の衛星観測に対して最適な観測手法を提案し、将来の次世代型CMB偏光観測衛星の設計に対する重要な指針を示しています。本研究は岡山大学のプレスリリースResearch Highlightsでも紹介されています。

我々石野研は宇宙航空研究開発機構 (JAXA)が主導するCMB偏光観測衛星LiteBIRDの系統誤差解析・スキャン戦略設計などを担当しています。

LiteBIRDは宇宙全天のCMBの偏光を高精度に観測することで宇宙誕生時に起こったとされるインフレーションの検証を目指す科学計画です。(詳しくは研究内容をご覧ください)
宇宙全天をくまなく観測するために衛星は地球から150万km離れた第2ラグランジュ点という位置で衛星自体を回転させながら宇宙をスキャンするように観測します (図1)。

CMBの偏光を高精度に観測するには観測装置に起源を持つ系統誤差をいかに抑制できるかが鍵となります。本研究では衛星の回転軸の角度や回転速度を最適化することで、系統誤差が最小となるスキャン戦略パラメータを発見しました。

図1: LiteBIRD が自転しながら望遠鏡で宇宙をスキャン観測する様子を示す概念図。実際には自転軸自
体の回転、歳差運動と太陽周りの公転の 3 種類の回転を組み合わせた複雑な運動を行う。

詳しくは以下のプレスリリース/Reserch Highlights記事をご覧ください。

岡山大学プレスリリース
誕生直後の宇宙の姿、衛星観測でどう捉えるか (日本語)

Research Highlights
How to capture the universe after its birth through space observation (English)

論文情報
タイトル: Multi-dimensional optimisation of the scanning strategy for the LiteBIRD space mission
著者:Y. Takase, L. Vacher, H. Ishino, G. Patanchon, L. Montier et al., LiteBIRD collaboration
DOI: 10.1088/1475-7516/2024/12/036
リンク: https://iopscience.iop.org/article/10.1088/1475-7516/2024/12/036

名古屋大の市來淨與教授による集中講義・談話会が開催!

11月25日から27日にかけて名古屋大の市來淨與教授が岡山大学に訪問され、集中講義と談話会が開催されました。集中講義では宇宙論や宇宙マイクロ波背景放射についての講義、談話会では「宇宙の密度ゆらぎを2度測る」というタイトルで、宇宙の一様等方性を仮定しなくても暗黒エネルギーのCMB 観測によるテストを行うことができるという興味深い内容でした。

長野さんが東大Kavli IPMUを訪問

長野(D3)がIPMUを訪問し、Guillaume Patanchon (ILANCE)さんとの共同研究を行いました。

衛星のアンテナパターンの非対称性により生じる系統的な効果が、回転半波長板(HWP)の有無によりどのように変化するかの研究に取り組みました。

まだまだ課題が残っており、今後もこのトピックに継続的に取り組んでいきます。