髙瀬が東大Kavli IPMUを訪問

髙瀬(D3)が東京大学Kavli IPMUを訪問し、松村准教授(東大)をはじめとしたIPMUのCMB研究者たちとLiteBIRDの系統誤差に関する研究を行いました。IPMUに滞在中だったGuillaume Patanchon (ILANCE)さん、Patricia Diego (MPA)さんにも議論に参加してもらい系統誤差理論の研究が大きく進展しました。

髙瀬はCMB偏光観測に混ざってしまう系統誤差を高速に推定・抑制する理論の研究に取り組んでいます [Y. Takase et al., 2024, arXiv]。IPMUはLiteBIRDの低周波望遠鏡に搭載する偏光変調器(PMU)の開発に責任を持っており、PMUの不定性に起源を持つ系統的効果を統一的に取り扱う解析手法について松村研の学生らと議論しました。

髙瀬による系統誤差解析理論のレクチャー

インターンシップ生のSimonさんとCorrentinさん、修士2年森永さんのお別れ会

Simon MadrzykさんとCorrentin Bourdierさん(Grenoble INP Phelma, フランス)の5月から約4ヶ月にわたるインターンシップが終わりを迎えました。また、修士2年の森永さんは先日行われた修士論文発表会を経て修了が決定しました!

森永さんはLiteBIRDの「CMB 全天偏光観測における検出器のゲインの系統誤差の解析的計算」という修士論文を執筆しました。系統誤差を高度な数学を用いて解析的に扱うことで、一般に行われる時系列データ解析よりも高速に系統誤差を推定する手法について研究を行いました。
今後は一般企業への就職が決まっており、さらなる活躍を期待します。

Simonさんは当研究室の生熊さん(修士2年)と「CMB偏光観測のための前景放射除去の開発」、Correntinさんは長野さん(博士3年)と「高精度偏光光源の開発」というテーマでインターンシップの研究を進めました。

最後の研究発表では4ヶ月間の成果をまとめたプレゼンテーションをしてもらい、研究室メンバーで議論を深めました。8月末にはお別れ会を行い居酒屋の日本食を楽しんでもらいました。これからの2人の活躍を応援しています!

当研究室の森永真未さんが物理学科HPで紹介されました!

物理学科長の野上教授からの依頼で当研究室の森永さん(修士2年)が岡山大学への編入生としての記事を書きました。以下森永さんからのコメントです。

以前は別の私立大学にいましたが、岡山大学に編入してたくさんの貴重な経験ができました。
特に私がずっとしたかった宇宙の研究をこの石野研ですることができています。
岡山大学に来て物理を学びたい方(特に宇宙の研究をしたい方)はぜひ記事を読んでいただけると嬉しいです。

今回、私の編入経験を記事として取り上げてくださったことを物理学科長 野上教授に感謝申し上げます。

記事へのリンクはこちら: 先輩からの一言 (2020年度編入 森永真未 氏)

実験や宇宙論の解説をする森永さん

髙瀬祐介さんが岡山大学広報誌「いちょう並木」で紹介されました!

岡山大学は「いちょう並木」という広報誌を年3回発行しており、岡山大学の様々な一面を紹介しています。

2024年8月初旬に発行された第106号では当研究室の髙瀬祐介さんの活躍が取り上げられ、研究内容や宇宙を目指したきっかけなどが紹介されています!
(髙瀬さんの記事へのリンクはこちら)

5月中旬に取材に来ていただき、綿密な打ち合わせを経て、素敵な記事に仕上げてくださったライター様、カメラマン様、いちょう並木制作会社様、本学広報課にはこの場をお借りしてお礼申し上げます。ありがとうございました。

髙瀬の記事の抜粋

第七回粒子物理コンピューティングサマースクール @ KEKつくばキャンパス

2024年7月29日から8月2日にかけて5日間、高エネルギー加速器研究機構 (KEK) にて第七回粒子物理コンピューティングサマースクールが開催されました。(サマースクールの詳細はこちら:URL

近年、素粒子、原子核、宇宙線、宇宙物理に関する研究は、コンピュータの力を借りて大きく発展しています。これらの発展に伴い、技術を習得することは今後の研究において必要不可欠であると考えられます。

今回のサマースクールには、石野研からは生熊/奥村/樋口の3名が参加し、多変量解析や機械学習など、最先端の技術について多くのことを学びました。さらに、サマースクールには他大学から40名の学生が参加し、交流を深めることができました。

最終日には、5日間の成果を発表する機会がありましたが、3名ともこの期間の成果を十分に発揮できたと思います。生熊は発表優秀賞を受賞し(写真右)、研究題目は「畳み込みニューラルネットワークを用いたCMB信号抽出のための前景放射除去手法の開発」でした。これからも、このサマースクールで学んだことを活かし、研究に一層励んでいこうと思います。

LiteBIRD collaboration meeting in Vancouver!

24/07/15-19の5日間、カナダのバンクーバーに位置するUniversity of British Colombia (UBC)でLiteBIRDのコラボレーションミーティングが開催されました。バンクーバーの気候は過ごしやすく、会議や議論に大変集中できる環境でした。

石野研からは石野/髙瀬/長野/生熊の4名が参加し、石野は系統誤差や装置要求検討に関する議論をリードしました。髙瀬はスキャン戦略の解説と半波長板やポインティング(望遠鏡の観測方向)の系統誤差に関するトークを行いました。

長野(写真右)はビームサイドローブ系統誤差、生熊は前景放射除去に関するポスター発表を行いました。得られた意見交換をもとに、さらなる研究推進に役立てたいと思います。

Samantha Stever先生のお別れ会

2020年に当研究室の助教に着任され、約4年半にわたってLiteBIRDや学生の教育に従事してくださったSamantha Stever先生が2024年7月末を持って本学を退職されることになりました。今後はフィンランドで新たな職に栄転されます。

お別れ会は研究室メンバーと出張で滞在中のBruno Maffei教授(Paris-Sclay大)、同じく出張で1週間滞在中のNicolò Raffuzziさん(Ferrara大, 博士学生)らと共に盛大に行われました。

Stever先生は当研究室の研究推進はもちろん学生の英語力向上にも大きく貢献してくださりました。研究室は少し寂しくなってしまいますが、メンバー一同、Stever先生の今後の更なる活躍を応援しています。今までありがとうございました!

お別れ会での集合写真 (2024/07/10)

Bruno Maffei教授(Paris-Saclay U.)による物理談話会を開催!

Paris-Saclay大学のBruno Maffei教授が当研究室を訪問し、約2週間に渡ってLiteBIRDやCMBの次世代実験に関する議論を行いました。滞在最終日の前日(24/07/10)には物理談話会が開かれ、次世代のCMB気球実験であるBISOU [1]の概要を紹介していただきました。

BISOUはCMBの周波数(スペクトル)を高精度に測定し、黒体放射スペクトルからのズレを精査します。NASAによって打ち上げられたCOBE衛星が搭載したFIRASという装置が測定して以来、30年間にわたってCMBのスペクトルは測定されていません。

黒体放射スペクトルからのズレが測定できれば、宇宙初期にエネルギー状態が明らかとなり、宇宙の熱史について新たな知見が得られると期待されています。

参考文献
[1] B. Maffei te al., “BISOU: a balloon project to measure the CMB spectral distortions”, arXiv:2111.00246

Bruno教授による談話会の様子

LiteBIRD Simulation Hands-on meetingへ出席

石野/髙瀬/長野/生熊/奥村が筑波にあるKEK/QUPで開催されたLiteBIRDのsimulation hands-on meetingに出席しました。国内外のLiteBIRDコラボレーターで前景放射除去や系統誤差のシミュレーションを担当する研究者が集まり、議論や開発したソフトウェアの共有を行いました。

石野はLiteBIRDの系統誤差に関する近況報告を行いました。
髙瀬(写真左)と長野(写真右)もプレゼンテーションを行い、海外の研究者と知見を深めました。