スピンゼーベック効果の理論
「熱エネルギーからスピン流を作り出す」
岡山大学 異分野基礎科学研究所 准教授 安立裕人のページです.
このページでは、私たちのグループで行っている研究について簡単に紹介します.
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高校生や大学初年級の皆さんの中には,「物理」というと素粒子物理学や宇宙物理学などの
高エネルギー物理を思い浮かべる人も多いことでしょう.
しかし,物理の魅力は,低エネルギー物理で発展させられたアイデアが高エネルギー物理
にも適用される,その普遍性にあります.
例えば低温実験で見られる超伝導のマイスナー効果は,本質的にHiggs現象の物理です.
また,日本人研究者の近藤淳先生の名を冠する近藤効果は,クォークの世界を支配する
漸近的自由性の具体例です.
このように,実験室の中で見られる超伝導や近藤効果などの物理現象を研究対象とするのが,
物性物理と呼ばれる分野です.
私たちのグループでは,物性物理の中で,今後の大きな発展が見込める 「スピン流の物理」を理論的に研究しています.
スピン流の物理は,量子力学的粒子(電子や原子核)の基本的な属性である 「スピン」の流れについての研究です. スピン流を上手に操作することを目指す技術・学理はスピントロニクスと呼ばれるので, 「スピントロニクス」の理論を研究しているとも言えます.
2007年のノーベル物理学賞は巨大磁気抵抗効果に対して贈られましたが, これは20世紀に進められたスピン流物理の「黎明期」の研究成果に関するものです. 21世紀になり,スピン流の物理はその研究対象をどんどんと拡大し, 驚異的な勢いで成長を続けています.
最近の研究内容をまとめると,以下のようになります(各項目をクリックするともう少し説明あります).
図は研究室メンバー山本君作成