研究分野紹介

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研究分野紹介

 

宇宙・素粒子実験

物質を構成する最小の要素は何か?宇宙はどのようにして誕生したのか? 素粒子宇宙物理学はこれらの問題の解明を目指す学問です。 素粒子とは全ての物質を構成している素となる粒子、最も基本的な粒子の事です。
 我々は、質量の起源となるヒッグス粒子の探索やニュートリノ振動実験、ニュートリノの質量に関する研究などを行っており、それらを通して宇宙創成の謎に迫る研究を行っています。



宇宙・素粒子物理学(作田石野・(魚住)・(Lorenz))(小汐,(伊藤)

ニュートリノと宇宙背景放射を主な対象とした宇宙物理学実験
ニュートリノ精密観測(作田,石野,小汐,(魚住),(伊藤),(Lorenz))
  • 研究内容
    • スーパーカミオカンデ(SK)実験を使った超新星等の宇宙からのニュートリノ観測やニュートリノ振動実験
    • 超新星・ニュートリノ振動実験のためのニュートリノ原子核反応の研究
  • これまでのSK実験での成果
    • 1998年ニュートリノ質量の発見
    • 2001年太陽ニュートリノ振動の発見
    • 2004年大気ニュートリノや加速器ニュートリノ振動実験でのニュートリノ振動の確立
  • 2006年6月SK実験再開、新たな結果が期待される。
    • 超新星爆発起源ニュートリノの検出
    • 大気ニュートリノ、太陽ニュートリノ振動の精密測定
    • 陽子崩壊の探索

スーパーカミオカンデ実験

宇宙背景放射研究チーム(石野)
 宇宙背景放射は宇宙誕生後38万年で生まれた宇宙で最も古い光で、 できた当時の姿のまま現在に残っています。宇宙背景放射を測ることにより、宇宙の年齢が138億歳と決まり、暗黒物質・暗黒エネルギーの存在も明らかになりました。
私たちの研究室では、宇宙背景放射の「偏光」を精密に測ることにより、ビックバンより前の世界を探ることを目指しています。そのために、科学衛星を打ち上げるための準備、偏光精密測定 に必要な理論的な計算方法の開発、超伝導技術を利用した検出器の開発を行っています。

量子宇宙基礎物理学(植竹、(吉村))

原子を利用したニュートリノ研究
 原子のエネルギー準位間隔は想定されるニュートリノ質量に近く、原子物理の実験はレーザー、マイクロ波等、豊富な手段を利用して行われます。 これらを駆使して新たな実験手法の開発を行いつつ、ニュートリノ質量、型、レプトン数非保存の総合的研究を進めています。


岡山大学設置の波長可変CW レーザーリドベリ原子を用いたニュートリノ対生成 レプトン数非保存(LENNON)実験


物性理論

 物性理論とは、凝縮系(非常に多くの原子、電子などが集まっている状態のこと)の電気的、磁気的、光学的性質などを量子力学や統計力学に基づいて理論的に解明する分野です。  紙とペンによる手計算だけでなく、コンピュータをフルに利用した大規模数値計算やシミュレーションなどの現代的な手法を取り入れて、物性物理学の理論的研究に取り組んでいます。

物性基礎物理学(岡田、西山)

強相関電子系の高エネルギー分光の理論,及び物性基礎論
(1) 近年、高エネルギーの光(X線)や粒子線を物質などに照射して、その内部における電子の状態を調べる実験手法が急速に発展しています。特に、そのような研究の理論的側面を担当します。SPring-8など実験グループとの共同研究も行います。  研究対象は、遷移金属化合物や希土類化合物などの強相関物質です。
 強相関物質は、磁性・超伝導、重い電子といった様々な興味深い性質を示す物質であり、 それらの物性には電子間相互作用が重要な役割を果たしています。 これらの物質の電子状態を明らかにすることを目指します。

(2) また,磁性体のモデルや多体問題の一般論の舞台として、(量子)スピン模型を研究しています。 主に、相転移現象、素励起の描像、数値計算手法に取り組んでいます。

量子多体物理学(市岡、大成、安立(Harald O.Jeschke))

量子多体系における非従来型超伝導やスピン輸送などの物性理論研究
 固体中の電子や原子ガスを極低温まで冷やすと、超伝導・超流動など多粒子系での量子力学的効果があらわれ、様々な興味深い現象が起こります。 これらの量子多体系の現象に関する理論的な理解をめざし、量子統計力学による理論解析やコンピューター計算などによる研究を行っています。 最近は、量子渦糸や界面などトポロジカルな構造ができる場合の超伝導状態と物性、 電子間斥力が重要となる強相関電子系の超伝導発現機構や輸送現象、 スピン流と呼ばれる磁気の流れの物理などの研究を進めています。

第2種超伝導体における磁束渦糸の電子状態。渦糸格子状態でのEilenberger方程式による微視的理論研究。 多成分超伝導体での磁束渦糸と界面のダイナミクス。Ginzburg-Landau方程式によるシミュレーション研究。


物性実験

量子構造物性物理学(野上、近藤)

低次元物質が示す量子効果と構造
 低温での量子的な状態が構造に敏感な系を、良質結晶の作成、電子物性の測定、構造の測定を中心として研究しています。 低次元物質と呼ばれる、電気がある方向に流れやすい物質では、低温でCDWという構造が変化した状態をとり、抵抗も大きく変化します。結晶を構成する元素を変化させたり、磁場や圧力などの外場を加えることによってCDW状態は変化するので、それらの関係について詳しく調べています。 また、相対論的量子力学的な効果としてスピン軌道相互作用があります。この作用が強いと、物質中の電子の波動関数の偶奇性(パリティ)が変化し、通常の絶縁体とはかけ離れたトポロジカル絶縁体になります。これは、物質を取り巻く通常絶縁体である真空と、内部のパリティが違う絶縁体が、うまく接する事ができず、表面にディラックコーンというフェルミ面を持つ特異な金属を挟んでいるものです。構成元素の変化により、スピン軌道相互作用の大きさを変えたり、磁性元素の内部磁場の効果を使って、様々なトポロジカル絶縁体を作成し、その不思議な性質を詳しく調べています。

機能電子物理学(池田神戸松島)

集団としての電子系が示す新しい量子相の開拓研究
 電子の集団が創る新規な量子物性の研究を行っている。 複数の相互作用が共存した固体内電子系でその強さが拮抗する場合, 平均場描像では想定しがたい,新しい秩序が現れることがある。 こういった,多数電子の存在によって形成される秩序やその動的構造, あるいは量子相関を解明し,新規な磁性,超伝導,誘電性, あるいは電導構造の実現について研究している。 たとえは電子自由度のフラストレーション効果が示す新しい磁性や誘電性に関する研究を行っている。 また分子性結晶や層状化合物のバンド構造の変化で生ずる新規な磁性や新超伝導現象を研究している。 こういった視点の下で,基礎的な研究や新物質開拓とともに,新しい太陽電池の研究も実施している。

界面電子物理学(横谷、村岡、(脇田)、寺嶋)

機能性物質の電子状態研究
  固体が示す様々な性質(機能性)は、固体内部の電子やスピンの状態と密接に関連しています。一方で、固体物質の表面や界面、および薄膜においては、固体内部では実現できないような性質が発現することが知られてきており、新しい機能性の探索とその機能性発現のメカニズムを調べる必要性が増加しています。我々の研究室では、固体、表面、界面、薄膜などに発現する新しい機能性を探求すること、および機能性発現の機構を調べるためにその電子状態やスピン状態を観測することを行っています。

量子物質物理学(味野)

スピン系が示す多彩な時空間パターン
 磁性体を用いた磁気共鳴や光学的実験により、スピン系での時空間パターンの研究を行っています。 特に、大電力マイクロ波で励起されたマグノン系の非線形緩和(カオス現象)や薄膜磁性体の磁区構造(パターン形成・分岐現象)に注目しています。

極限環境物理学(小林、荒木)

高圧/強磁場下における磁性・超伝導の実験的研究
 高圧や強磁場の極限環境下では、物質は通常考えられない風変わりな性質を示します。 私たちが普段知っている身の回りの物質の性質はほんの限られたものなのです。 本研究室では、それらの極限環境下で物質の未知の状態を探索しています。そのために不可欠なのは実験技術開発です。例えば、高圧実験では微小な試料空間などの制約のために、常圧で行われる多くの物性測定ができないのが現状です。 私たちはこれら未踏の実験技術の開発を行ない、自分たちにしかできないオリジナルな物性研究を追求しています。

CeNiGe3における反強磁性(AFM)と超伝導(SC)の共存

低温物性物理学(鄭、川崎、俣野)

NMR法による超伝導と磁性の研究
 本研究室では、核磁気共鳴(NMR)法を用いて、電子間相互作用の強い物質系(強相関電子系)における超伝導と磁性を研究しています。NMR法は原子核スピンの動きを通して電子の状態を調べる実験手法で、電荷の分布、電子スピンの配列、超伝導を担う電子対の対称性などがわかります。NMR技術以外に、低温、強磁場、高圧などの極限環境技術の開発にも力を入れ、世界的に見てもユニークな計測システムを構築しています。 現在、教員と学生が一丸となって、学内外・国内外の研究者と協力関係を築きながら、強相関電子材料の新機能の発見とその発現機構の解明を目指して日々頑張っています。 興味のある方は一度のぞいてみませんか。最先端の物理を目の当たりにできますよ。



量子物性物理学(野原、工藤、(鮎川))

新しい高温超伝導体の開発
 私たちは、電子間の相互作用が強い鉄などの3d遷移金属や、 スピン軌道相互作用の強い白金などの5d遷移金属をもちいた新超伝導体の物質開発に取り組んでいます。 鉄系超伝導体では、元素比から112型と呼ばれるようになったCaFeAs2を開発し、 LaとSbを化学置換することで超伝導転移温度を47ケルビンまで引き上げました。 またSrPtAsやPdをドープしたAuTe2など、新超伝導物質をぞくぞくと発見しています。 化学的な知見を活用して、より高い温度で超伝導を示す物質を設計・開発することが私たちの目標です。


量子電子物理学(小林 夏野、(秋光)、(堀金)、(堀江)

新しい高温超伝導体の開発
 本研究室では、新しい機能性材料の創生という研究目標の下、 既成概念にとらわれず常に新しい超伝導物質の開発を行ってきました。 これまでに20種類以上の超伝導体を発見しています。
その中には、これまでの金属間化合物超伝導体のTcを2倍近く上回る39 Kを持つMgB2や、 CuO2面を持たない銅酸化物超伝導体であるSr14-xCaxCu24O41などがあります。 近年は、より高いTcを持つ超伝導体の開発をめざし軽元素を含む超伝導体の合成や、 高温・高圧下での軽元素化合物の合成などを行っています。