物理学科概要

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物理学科概要

学科長あいさつ

 物理学は自然現象をより簡潔に説明しようとする学問です。この営みはギリシャ時代から2000年以上続けられています。そしてその成果は現代社会を支え,いまもなお発展し続けています。物理学科は,そういった人類社会の根底を支える深い科学を,学び,探求し,体験することができる学科です。そしてここに学んだ卒業生たちは,高い就職率を誇っています。
 どうして物理学科卒業生の就職率が高いのか,その理由をぜひ皆様に知っていただきたいと思います。
 物理学科に入学する皆さんは,自然の根源を知りたいという,とても人間らしい純粋な知的好奇心を持っています。物理学科ではそれに答えるため,3年間かけて最先端の科学を習得できるカリキュラムを用意しています。4年生の卒業研究が始まる頃には,素粒子や,その集合体である物質,そしてそれが存在する宇宙を理解するための基本的な科学的技法を身につけます。
 低学年ではまず,高校で学んだ物理の教科をより精密に取り扱う物理学を学びます。これは19世紀に完成した古典物理学と呼ばれる学問です。学年が上がると,相対性理論や量子力学といった現代科学の基盤となる学問を身につけてゆきます。これらの学問は,人が持つあらん限りの発想力を駆使して作られてきました。その多様な発想方法もここで学ぶことになります。
 これらの学問は充分完成されており,数百年経っても変わらない普遍的な事柄です。そしてさらに,これらの教科には現代社会の様々な難問を解くヒントや未来社会の「種」が有るのです。
 例えば量子力学を学ぶことは,今世紀から来世紀にかけて起こる産業革命の種を学ぶことになります。みなさんは量子コンピュータという言葉を聞いたことがあるかもしれませんが,その重要な原理を学習します。また統計力学を通して,自然現象から経済現象まで適応できる普遍的な法則を学ぶことができます。電磁気学では,現代のITなどを含む文明全体を支えている技術の原理とその可能性を理解できるようになります。もしこれらの学問を有効に活用できる人になれば,今は存在せずとも近未来に重要になる新しい概念「イノベーション」に気づける人に成長できます。
 そして,おそらく最も大切なことは,こういった物理学全体を学ぶうちに”自然や宇宙の根底にある根本的な原理を見極める力を身につける”ということだと思います。
 物理学科で学んだ学生は,数百年経っても変わらない真理を会得すると同時に,近未来に使われる科学を習得しています。こういったしっかりした原理と最先端の科学を理解し,柔軟な思考力のある人は,どのような職業においても必要とされているのです。これが物理学科卒業生の就職率が高いことの理由です。現代は難しい問題が多いからなのか「経営者は英語より物理を学ぶほうが重要ではないか」という議論すら聞かれるほどになっています。
 そのようなしっかりした学習を実施するために,岡山大学の物理学科には,国内のみならず海外大学の物理学科と比べても実績のある教員が揃っています。どの先生もご自身の研究分野において,世界的なリーダーの役割を果たされています。毎年世界的に有力な研究論文雑誌に,当学科教員からの論文報告があります。またノーベル賞受賞論文に名を連ねる先生が3名もいらっしゃることも,物理学科の誇りです。当学科は教員一人あたりの学生数も多くなく,そういった実力のある先生と共に,少人数教育を通じて活発でアットホームな学びの場を提供できていることも優れている点だと思います。
 自然を知りたいという人類の探究心が2000年かけて現代の文明を形成してきた様に,当学科に入学した皆さんは,純粋な自然への好奇心を育みトレーニングすることで,最先端科学を探求し,使いこなせる人に成長することができます。

          平成29年4月 物理学科・学科長 池田 直

    物理学科長 池田 直
    物理学科長 池田 直