研究ハイライト
アタカマイトの磁化過程:弱結合ノコギリ状鎖の場合
緑色の美しい銅鉱物アタカマイトは、チリやメキシコだけでなく、日本では愛媛県や山口県、香川県などでも発見されています。アタカマイト中の銅イオンは、非常に歪んだ3次元パイロクロア格子を形成しています。この系における磁性特性は、有効的には1次元のノコギリ状の鎖を形成していることが明らかになりました。その磁化には、飽和磁化の1/2ほどの場所に特徴的なプラトーが現れます。本論文では、このプラトーが有効モデルではこれまで取り入れられていなかった交換相互作用により発現し、磁場中で有効磁気モーメントが傾くことで生じることを解明しました。
L. Heinze, H. O. Jeschke, I. I. Mazin, A. Metavitsiadis, M. Reehuis, R. Feyerherm, J.-U. Hoffmann, M. Bartkowiak, O. Prokhnenko, A. U. B. Wolter, X. Ding, V. Zapf, C. C. Moya, F. Weickert, M. Jaime, K. C. Rule, D. Menzel, R. Valentí, W. Brenig, S. Süllow
Phys. Rev. Lett. 126, 207201 (2021) <https://doi.org/10.1103/PhysRevLett.126.207201>
2021.5.18