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平成29年度(2017年度)第4回 物理教室談話会
題目 | 強相関電子系で探る非平衡定常状態 |
講師 | 寺崎一郎 氏 (名古屋大学大学院理学研究科) |
日時 | 平成29年10月25日(水) 14:00~ |
場所 | コラボレーション棟3階 コラボレーション室 |
概要 |
電子同士の相互作用が強く、バンド電子描像が破綻した系は強相関電子系と呼ばれ、遷移金属酸化物や有機伝導体で実現する。その中のいくつかの系では、電子 間の多体効果の結果、わずかな外場で電子相が劇的に変化し得る。
本講演では、モット絶縁体や電荷秩序絶縁体の非線形伝導現象に注目する。我々の調べている 非平衡効果は、一定温度の下で小さな電流密度によって駆動された状態であり、熱平衡状態からわずかに隔たった状態である。これは非平衡定常状態と呼ばれ、 熱平衡状態の統計力学を自然に拡張できる非平衡系として研究が進んでいる。 また、非平衡定常状態は自然界の様々な現象の最も単純なモデルを提供しており、 物性物理学の成果を化学反応系や生命・生体系へ拡張することも夢ではない。このような強相関電子系を用いた非平衡統計力学へのアプローチを聴衆のみなさんと一緒に議論したい。 |
世話人 | 野上由夫(内線:7770) |