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平成27年度(2015年度)第4回 物理教室談話会

題目 奇パリティ多極子が拓く新しい電気磁気効果
講師 網塚浩先生先生
(北海道大学理学研究院)
日時 平成27年11月24日 16:30~
場所 コラボレーション棟3Fコラボレーション室
概要 希土類やアクチノイド化合物に関する近年の研究から、結晶中でf電子が獲得する「多極子自由度」によって様々な興味深い物性が現れることがわかってきた。電気四極子や十六極子、磁気八極子が整列して起こる秩序、また、それらの揺らぎが関与すると思われる超伝導、さらには多極子由来の多重チャネル近藤効果と非フェルミ液体異常などである。しかしながら、これまで実際に(金属固体中で)見つかっている多極子は皆、偶パリティの多極子であり、奇パリティの多極子の存在とその振る舞いは、まだほとんどわかっていない。
 本講演では、1原子上の多極子の概念を複数の原子サイトにまたがって構成されるクラスター上の電荷・スピン分布に拡張することによって、電気八極子や磁気四極子、トロイダル双極子といった奇パリティの多極子を基本要素に固体を眺める新たな視点が得られること、またその結果、新たな物質機能が予見できることを示した最近の理論的研究と実験との対応について紹介する。
世話人 野原 実(内線:7828)