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平成26年度(2014年度)第6回物理教室談話会
題目 | 多軌道強相関電子系の新しい物理 |
講師 | 大成 誠一郎先生 |
日時 | 平成26年7月30日 16:30~ |
場所 | コラボレーション棟3F コラボレーション室 |
概要 |
銅酸化物高温超伝導体等の単一軌道強相関電子系では、反強磁性秩序及びその近傍の反強磁性揺らぎが重要であることが知られており、反強磁性揺らぎに媒介される超伝導が発現すると考えられている。これらは従来の計算計算手法であるランダム位相近似等で容易に再現することが可能である。
しかしながら、多軌道強相関電子系である鉄系超伝導体では反強磁性秩序が現れるよりも高温で軌道秩序を伴う構造相転移が起きることが知られている。多軌道系特有の物理である軌道秩序は従来の計算手法では再現することが出来ない。そこで、我々はクーロン相互作用の高次の多体効果であるバーテックス補正を導入することで、軌道揺らぎが増大することを明らかにし、軌道秩序及び構造相転移を統一的に説明することに成功した。 また、この軌道揺らぎに媒介される超伝導は従来の反強磁性揺らぎにより媒介される超伝導とは異なる、新しいものであることが分かった。 |
世話人 | 市岡 優典(内線:7806) |