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平成26年度(2014年度)第5回物理教室談話会
題目 | 宇宙背景放射偏光測定地上実験POLARBEARの初期観測結果 |
講師 | 長谷川雅也先生 (高エネルギー加速器研究機構) |
日時 | 平成26年7月25日 17:30~ |
場所 | コラボレーション棟3F コラボレーション室 |
概要 |
宇宙背景放射(CMB)の観測は1965年の発見以来、宇宙の誕生と進化の謎について我々に多くの知見をもたらし、WMAP/PLANCK衛星による温度揺らぎの精密測定を経て、現在我々はその標準的なモデルを確立するに至っています。今後さらに初期宇宙の研究を進めて行く方法として期待されているのが、偏光Bモードと呼ばれるCMBの特殊な偏光パターンの検出です。これは、インフレーションにより生成される原始重力波によってCMBに残される偏光パターンで、晴れ上がり以前の宇宙を見るベストプローブとして、世界中でその検出及び精密測定を目指したプロジェクトが計画?推進されています。また、重力レンズ効果によっても同様の偏光パターンが生じます。重力レンズBモードは宇宙の大規模構造に関する良いプローブであり、ニュートリノ質量和等の情報を地上実験に匹敵もしくは凌駕する精度で探索できる事が期待されています。本講演では、CMB偏光観測の意義を解説した後で、2012年からチリ?アタカマ高地で観測を続けているPOLARBEAR実験の重力レンズBモードの初検出について報告します。また同時期に原始重力波Bモードの検出を報告したBICEP2の結果についても簡単に紹介し、偏光観測の今後の展望についても議論します。
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世話人 | 石野 宏和(内線:7818) |