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令和8年度(2026年度)第3回 物理教室談話会
| 題目 | トポロジカル電荷の観測不可能性と素粒子実験に対する影響 |
| 講師 | 山中長閑 氏 (理化学研究所・仁科加速器科学研究センター・少数多体系物理研究室) |
| 日時 | 2026年10月8日(木)7-8限(15:30-17:20) |
| 場所 | 第26講義室(理学部1号館) |
| 概要 | 量子色力学(QCD)やそれを含む標準模型は非可換ゲージ理論であり、そのゲージ配位は非自明な位相欠陥を持つ。位相欠陥はトポロジカル電荷演算子によって数えることができ、これまで物理的に観測できると考えられてきた。本発表ではトポロジカル電荷が観測不可能であることを示し、実験・現象論・宇宙物理に対する影響を考察する。QCDにおいて位相欠陥はθ項として現れ、それによって大きな電気双極子モーメントが発生するが、実験によって強く制限されており、このθの不自然な調整はStrong CP問題と呼ばれている。トポロジカル電荷が観測不可能であるとθ項が意味をなさなくなり、Strong CP問題は自然に解決され、それを解決するために導入されたアクシオンのような標準模型を越えた自由度が必要でなくなる。また、トポロジカル電荷が物理的であることによって起こる電弱スファレロン過程はバリオン数とレプトン数を破り、現在の物質優勢の宇宙のバリオン数非対称性を説明できる有力なシナリオとしてこれまで期待されてきたが、トポロジカル電荷が観測不可能であるとそれも起こらず、大統一理論などに依拠したバリオン数非対称性の生成の機構を構築する必要がある。時間があれば、磁気単極子もトポロジカル電荷と同様に観測不可能であることを示し、可能性のある標準模型を越えた新しい物理と宇宙論的シナリオ、そしてそれらの実験的検証可能性を考察する。
[1] N. Yamanaka, arXiv:2212.10994 [hep-th]. [2] N. Yamanaka, arXiv:2212.11820 [hep-ph]. [3] T. Tanii and N. Yamanaka (2024), https://zenodo.org/records/20805793 |
| 世話人 | 世話人 増田孝彦(内線 8489) |







