物理学科概要
学科長あいさつ高校生の皆さんへ物理学とは、「物質や自然や宇宙はどのようにしてできているか、そこのどんな法則が働き、どんな現象が起きるかを探究する学問。人間が、自分達の住む自然に対して持つ知的好奇心から始まった学問であり、自然科学の中でも最も基本的な学問のひとつ(培風館 物理学辞典)」と説明されています。近代物理学は、16世紀以降、ガリレイやニュートンによってその礎が築かれました。その後、熱力学や電磁気学の発展を経て、20世紀には量子力学と相対性理論の登場により、人類の自然界に対する理解は一層深まりました。しかし現在においても、従来の理論では説明の難しい現象が次々と発見され、それらの解明に向けた研究が進められています。こうした研究を通じて、人類の自然界に対する理解はさらに深まり、物理学は現代社会を支える基盤技術の根幹として、私たちの生活を支え続けています。 岡山大学物理学科には、量子力学に根ざした新たな現象の探索や、そのメカニズムの解明、さらには宇宙の形成過程や素粒子の性質について研究する教員が在籍しており、それぞれの分野で世界的な研究を展開しています。宇宙素粒子分野では、宇宙からやってくるニュートリノや低エネルギー電磁波の精密測定により、宇宙の形成過程に対する標準モデルの検証が進められています。一方、物性物理学分野では、超伝導をはじめとする量子現象に関する研究を通して、固体中の電子の特異な振る舞いを明らかにする研究が行われています。このような研究の多くは、国際的な研究連携の中、SPring-8をはじめとする国内外の最先端の研究施設を利用して実施されています。 これらの最先端研究には、学部4年生、修士課程、博士課程の学生たちが教員と共に取り組んでいます。学部の3年間で基礎的な物理をしっかりと学んだのち、4年からは研究活動に加わり、徐々に中心的な役割を担ってもらいます。中には、重要な研究課題の解決に大きく貢献する学生もいます。卒業生は、その経験を活かしてそれぞれの職場で活躍しています。物理学の最前線に触れ、その発展に関わってみたいという強い意欲を持つ高校生の皆さんに、岡山大学物理学科への進学を検討していただきたいと願っています。 令和7年4月 物理学科・学科長 横谷 尚睦 以下の「研究室紹介」のページには、岡山大学の物理学研究者の挑戦の記録が、分かりやすく紹介されています。 ぜひ、私たちに加わって、自然界の仕組みを解き明かして下さい。 |