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平成30年度(2018年度)第4回 物理教室談話会

題目 その場微小角入射X線小角散乱による成長中 有機薄膜の表面形態評価
講師 広澤一郎 氏
(SPring-8 高輝度光科学研究センター 教授)
日時 平成30年10月30日(火) 16:20~
場所 コラボレーションセンター 3階307室(コラボレーション室)
概要  薄膜形成中の表面形態変化はAFMやSEMなどによる多数の研究事例があるが、いずれも表面形態観察のため膜成長を中断しているので形成中とは異なった状態を観察していることへの懸念を払拭することができない。薄膜形成中の膜表面形態の定量評価を目的に微小角入射X線小角散乱によるSi基板上に成長中の有機薄膜(pentacene薄膜)その場観察を行った。
 その結果、pentacene膜第1層形成初期は第2次核生成がなく、Diffusion-Limited-Aggregation のモデルでほぼ説明できること、第2層目形成時より3次元核生成が始まることがわかった。また、第1層目と第2層目以降のpentacene island間の相関距離は前者が後者の約3倍となりpentacene分子の表面拡散距離の違いが定量的に 明かになった。
 当日は現在検討中の4層目以降の形態変化についても途中経過を紹介したい。
世話人 池田 直(内線:7810)