平成16年度 第8回

物理教室談話会



開催日
平成16年12月13日(月) 注(第7回談話会と順序 が入れ替わっています)
プログラム

13:00-13:50 末包 文彦 氏 (東北大学)
    「原子炉ニュートリノ振動実験:KamLANDの最新結果とKASKA実験計画」

14:10-15:00: 石野 宏和 氏(東工大)
     「Belle 実験の結果:CPの破れとB中間子」

休憩

15:20-16:10 稲垣 隆宏 氏 (理研 播磨)
    「SCSS: SPring-8 X線自由電子レーザーの開発」

16:30 終了
場所 理学部物理学科リフレッシュコーナー (A348) 
岡山大学津島キャン パス内理学部1号館3階 )
要旨
 
「原子炉ニュートリノ振動実験:KamLANDの最新結果とKASKA実験計画」
 原子炉は、膨大な数のニュートリノ(反電子ニュートリノ)を発生しており、これまでそれを利用して多くの実験が遂行されて来た。最近東北大学が中心と なったKamLAND実験が、平均180km先にある原子炉群からのニュートリノを千トンの液体シンチレーター検出器で検出し、電子型ニュートリノの振動 現象を確認し、ニュートリノの研究に大きな影響を与えている。これにより3種類のニュートリノ混合角のうち2種類が測定されたことになる。一方最後の ニュートリノ振動角θ13も原子炉ニュートリノを利用して検出できる可能性があり、それを目指した実験計画KASKAが検討されている。この講演では、こ のKamLANDの最新結果と、次期原子炉ニュートリノ振動実験計画KASKAについて解説する。

「Belle 実験の結果:CPの破れとB中間子」
Belle 実験で発見されたB中間子の粒子反粒子対称の破れ(CPV) の最近の結果について解説する。

「SCSS: SPring-8 X線自由電子レーザーの開発」
兵庫県西播磨にある大型放射光施設「SPring-8」では、放射光を用いて物理学、化学、生命科学、医学などに利用されています。次世代の放射光光源と して、輝度と干渉性の高いレーザーX線を得る自由電子レーザー(SCSS: SPring-8 Compact SASE-FEL Source)の建設が計画され、現在その開発が進められています。自由電子レーザーでは、電子を線形加速器にて6 GeVまで加速しながら圧縮し、超短周期アンジュレータに入射してX線を発生させます。 本セミナーでは、この自由電子レーザー計画の概要・意義を説明し、現在進めている開発状況について報告します。特に、主加速器となるCバンド加速器システ ムの技術開発について、写真などを含めて紹介します。


 
世話人 理学部物理学科 作田 誠(086-251-7822)



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